椿ちゃんと呼ぶ事を認めないと言っても聞き耳をもたない僕の同期。
明るい性格で僕とは正反対だなと思う。
「なるほどね~
 可愛い顔して寝ている椿ちゃんを起こすのは可哀想だから、俺に連絡を寄越したと。」
「奥さんが出産したばかりで忙しいのに悪かったよ。」
「いや!良いんだよ!
 同期のね、しかもエリートの宮下君のお願いですし。
 椿ちゃんの可愛いエピソードが聞けて俺は満足ですよ。」

嫌なやつに弱みを握られた気分だな。
この事がばれたら椿は怒る……よな?

「椿に会っても余計な話をするなよ。」
「赤ちゃん楽しみですねって~
 大丈夫!言わないから安心しろ~」
「おい!!」
「分かってるって~」

本当に分かってるのかにわかに信じがたいが諦めるか。

「まあ、でも。絶対可愛いだろうな。
 椿ちゃんの赤ちゃん!
 楽しみにしてるからな~」


何にしても、自転車の件はありがとう。



椿がそろそろ起きてないか心配だから解散とするか。



「お嫁さんには礼を言っといてくれ。
 助かった。」