警戒心?




「なんで警戒心持たないといけないの?」




普通に勉強教えてくれてるだけなのに。




「それは……」



「俺がチャラ男だからってこと?」




私と八木澤くんの会話を聞いていた東雲くんが、頬杖をつきながら私たちの方を見て言った。




「…そうだよ。
孝弥、女なら誰でもいいんだから」



「誰でもいいことはないよ。
一応俺の中にも優劣はあるので」



「かわいい子がいいってこと?」



「そうだねー。
安木さんとか好みなんだけど」




ニッコリと笑顔を向けられて、


そんなこと言われ慣れてない私は、思いっきり照れてしまった。




「あ…あははっ、どうもありがとう…」




頭をポリポリと掻いたら、


八木澤くんにチョップをお見舞いされた。




「ありがとうじゃねーよバカ。
世辞に決まってんだろ。本気にしてんな」