八木澤くんは不器用に想う





安木さんは男が近くを通るたび、ちらちらそっちを見てる。



……なんだ?



気になる人でも、いるのか?




「あのさ」



「ん?」



「誰か、探してる人でもいるの?」




もしかして、


俺だって気付いてないだけで、消しゴムを貸した男を探してるんじゃ…?




「あっ、ううん。
いや、いろんな人の顔を見てたんだけど…

八木澤くんが一番カッコいいなって」



「……ぅえ!?!?」




予想外の言葉すぎて、変な声出ちゃったじゃねーか!




「その髪ってどうなってるの?
ツーブロック?」



「あっ、うん、そう」



「わー、ほんとだ。チクチクする」




触っていいとも言ってないのに、勝手に俺の頭を触る安木さん。



さすがに照れゲージが振り切ってしまって。