花奈実の友達がそう言って、花奈実が俺の手を掴む力を強めた。
「怜央に最低なところを見られて、恥ずかしいんだよ。
今は怜央に会いたくないんじゃないかな?」
「……」
「あ、怜央。お昼一緒に食べよ?
昼休み終わっちゃうよ?」
「……知らねぇよ」
安木が1人になりたいって思ってたとしても
俺が安木を追いかけたいんだよ。
「ちょっと、怜央っ」
「友達と一緒なら、
俺がいる必要ないだろ」
花奈実の手を振り払って、
階段を駆け降りた。
……でも、安木、どこ行ったんだろう…。
いつも教室で弁当食べてるはずなのに、なんでこんなとこにいたのかもわからないし…。



