「……怜央のせいで、 つらそうな顔ばっかり」 「……つらいばっかりじゃないよ。 東雲くんがいるから…」 楽しくしてくれる。 励ましてくれる。 傍にいてくれる。 東雲くんのおかげで、つらいばっかりじゃないんだよ。 それを伝えられないかなって、東雲くんの手を握ったら 東雲くんがゆっくりと、顔を近づけてきて…。 「……東雲、くん…?」 鼻先がトン、とぶつかって、 あまりの至近距離にびっくりして、ぎゅっと目を閉じた。