「失礼します…」
「あれ、初ちゃん?」
保健室に来たら、
なにやら作業中の東雲くんがいた。
「東雲くん、どうしてここに?」
「ノートで指切っちゃって、絆創膏もらいに来たら先生に留守頼まれちゃって…
……って、その顔どうしたの!?
頬腫れてない!?」
「あはは…
ボーッとしてたら、壁にぶつかっちゃって」
「……嘘つき。
壁にぶつかってそんな腫れるわけないだろ」
私が笑いながら誤魔化したのに、東雲くんには全然通じてなくて。
怖い顔で「ここ座って」って椅子を指さされた。
「……私、嘘つくの下手かな?」
「下手」
「あはは…」
苦笑いしてたら
東雲くんが湿布を用意してくれて。
私の左の頬に貼ろうと、私の髪を耳にかけた。
「うっすら手形ついてる。
ぶたれた?柳さんとかに」
「鋭いっすね…」



