さっき私をぶった時と打って変わって、シクシクと泣き始める柳さん。



……あー…そういうこと。


八木澤くんの前では、良い顔してるってことか。




「本当だよ?
先にそう言ったのは安木さんだから」



「……安木、本当なの?」




柳さんの友達の言葉に、


八木澤くんが、私の方を見てそう言った。




「……」




あぁ…そっか。


八木澤くんは、私の味方してくれないんだ。




「やす…」




返事をしない私に、痺れを切らした八木澤くんが


私の顔を無理やりあげようと、手を伸ばしてくる。




私はその手をパシンッと払い除けて、



八木澤くんを睨みつけた。




「……!」




そのまま八木澤くんを押し退けて、



階段を駆け降りた。