急に不機嫌(?)になった莉乃と教室に向かっていると


噂好きなB組の男の子が、廊下で友達と大きな声で話していた。




「D組に転校生が来たらしいぜ」


「しかも美人」


「でもちょっと近寄り難い雰囲気あって…高嶺の花って感じ!」


「でもオレらそんな会う機会なくね?」


「たしかにー」




ゲラゲラと下品な笑い声が廊下に響く。



うちの学校は、A〜C組と、D〜F組で校舎が違う。


A組の私は、D〜F組の人と会うことはほとんどない。



関係ないやと思って私は男の子たちの話を右から左へ聞き流してたけど、


莉乃は『へぇー』と反応した。




「D組って、莉子のクラスじゃん。
後で聞いてみようかな」



「莉子?」



「あー、初に言ってなかったよね。
D組に双子の妹がいるの。
莉子(りこ)っていうんだけど、さっき話してた妹のことだよ」



「えっ、莉乃双子だったの!?」




しかも同じ学校だったのか!