「あ~いぃ~??全然飲んでないんじゃないの~?」

「トモカは飲みすぎ」

「なんらってぇ~!?」

「それに、あたしは明日から美波高校の教師なの」



駅近くの居酒屋でトモカと飲んでるあたしだけど、あれから6年も経ってるので未成年ではない。


24歳と言う立派な大人だ。


と言ってもトモカのこの酔い具合は立派な大人がするのはいかがなものかとは思うけど…。


あたしは高校卒業後大学に進学し教員免許を取得した。



そして明日ついに教師生活1年目を迎えようとしてるわけなんだけど…トモカに飲みに誘われて明日二日酔いしないか心配である。


二日酔いしない程度に飲んではいるんだけど、トモカが飲ませてくるもんだから今ちょっと危ないライン。



「トモカ、ケンのやつ迎えに呼んであげるから帰ろうよ」



そう、トモカとケンはまだ付き合っていて今年で7年も付き合っている。

今は婚約中で来年結婚する予定らしい。



「はぁぁ?迎えなんていらないし、大丈夫だし~」

「大丈夫じゃないから言ってるんだって」



こりゃ聞く耳持たないな。
酔っ払いには何を言っても無駄だ。



「てかさぁ~、私これだーけは!言いたいんだけどー!」

「何?」

「愛ちゃんコーコーセーに恋しちゃメ!だからね?」

「………何言ってるの」



何を言い出すかと思えば、そんなこと。
馬鹿なこと言わないでよ。

高校生に恋しちゃうとか。



「絶対ないから」

「ほんとーかなぁ~?」

「あのねぇ、あたし大学時代もナンパされたり告白されたりそれなりにされたけど誰にもときめかなかったし、好意さえも持たなかったの知ってるよね?」



今まで告白されたのなんて一真だけだったのに、大学に入ってから4年間で10人には告白された。


合コンだって何度か誘われたし、口説かれたこともあれば、ナンパだってされた。


だけど、誰一人としてあたしの中には入ってこなかった。

唯一入ってこれたのは一真だけ。