それって、傲慢かな。


「本……。書いてみたいです……」
「なら、やろう!!」
「とりあえず、今から書きます!」
「えっ?」
「仕事も出来るだけ下さい!!」


ヒロはもう居ないけど、なんだか見えないだけですぐ側にいる気がするんだ。


だから__


私は、君との夢を叶えるよ!!



「今から書くの?」
「少しでも、良いモノを作れるように!!」
「頑張ってね」
「はい!!」


通話を切って、新品のノートを取り出した。


ああ。そういえば。


君に会う前の私って、何もかも諦めていて魂の無いマネキンみたいな人間だっけ……。


昔の私を思い出す。


そんな私をこんなに前向きにしてくれた君は、なんて素敵な人間なのだろう。


君の魅力を__
優しさを__
強さを__


皆に伝えたいよ。


ねえ、もし私の書いた物語が本になったら、あっちの世界で読んでくれるかな__?


出来るだけはかっこ良く書くけど、君がおどけているイメージしか無いや。


「本読んだら、もっとカッコ良く書けよなんて文句を言いそうだ!!」


少し無理をして、ケラケラ笑っているとフワリと温かさを感じた。


「うん、私頑張るよ!!」



[END]