こんな時だから、人の優しさが心に染みる__


私を人間に変えてくれたのは、ヒロ。貴方だよ__


そこから、りんとは当たり障りの無い会話を楽しんだ。


強くならなくちゃいけない。


強く生きて、空から見ているヒロを笑わせよう。


上手く出来たら夢にでも出てきてよ。


♢♢♢
気が付いたら、空が真っ赤に染まっている。


「そろそろ、帰らなくちゃ……」
「るるちゃん……。平気?キツければ、泊まっても良いんだよ……。私は、るるちゃんと一緒の時間が過ごせるなら歓迎だから!!」


りんの手の温もりが伝わってきて、暖かい。


私って、良い友達を持ったななんて思える現実が幸せだ。


でも__


「大丈夫!!今日は帰る!!」
「そう!?あのね……」
「うん?」
「こんな事言ったら失礼かも知れないけど……」
「うん?」
「変な事を考えたら駄目だからね!!」


透明感の有る瞳から、キラキラとした涙を流すりん。私の事を心配しているのが分かる。


その気持ちが有難いけど、これ以上りんに心配を掛ける訳にはいかないから、無理矢理口角を持ち上げる。


「変な事?する訳ないでしょ!!私は、ヒロを悲しませるような事はしないよー!!」