「ん?どうしたの?」
「たまにはさ、学校サボっちゃわない?」


りんの笑顔を見ていたら、ヒロの事を思い出す。


ああ。いつも、笑顔で私を励ましてくれていたっけ。


今はりんが私を励ましてくれている。


私だって分かっているんだ。もう、ヒロに会えない事くらい__


でも、それを認めたくはない。


「そうだね。学校サボっちゃおう!」
「お!いーねえ!そうと決まれば、荷物持って靴箱の所で集合ね!!」
「うん!」


屋上に続く扉を開けたら、薄暗い階段を降りて行く。


教室まで走り、荷物を取ると靴箱に向かったら、息を切らしたりんが待っていて、運動靴に履き替えた。


「で、学校サボってどこ行くの?」
「うーん!うちの家でいい?」
「いーよ!」


笑わなくちゃ。
笑わなくちゃ。
心配させたらいけない。


学校を出るとりんの後を着いて行く。


そう言えば、りんとは仲良くして貰っているが、家に行くのは初めてだ。


なんだか、嬉しい事のはずなのに喜ぶ余裕が無いや。


15分くらい歩いただろうか。


「ここだよ!!」


なんて言いながら、りんが指差した方向には少し古めの一軒家がある。