「確かに、似てるけど酷いって!!」
「最初会った時、こんな顔していたような……」


吹き出してしまう。


手を繋いだままゲーセンをウロウロしていると、なんとなくヒロに似たクマのキーホルダーを見付け足が止まってしまう。


なんていうか、おどけた動きがソックリだ。


「このクマ可愛い!!」
「え!そのバカそうなクマ?」
「だって、ヒロに似てるんだもん!欲しいから、ちょっとだけやってみようかな!」


ショックを受けた表情で、こちらを見つめるヒロ。


「俺、やってみる!」
「え!取れるかなー?」
「運だね!」


そう言うと、UFOキャッチャーに100円を投入したヒロが真剣な顔で機械を操作する。


キーホルダーのチェーンがアームに引っかかって、狙っていたクマが取れた。


「え、まじ?」
「イェーイ!!」


お互いの手のひらをタッチさせる。


景品出口から出たくキーホルダーを「ほれ!」と、言いながら差し出して来るから受け取った。


「あ、ありがとう!」


おどけた顔のクマのキーホルダーが、ヒロの分身みたいに思えて嬉しくて堪らない。


「可愛がってねー」
「うん!大切にする!!」