「いい、いい!俺に払わしてよ!」
「でも……」
「いいから!」
「ありがとう……」
「それでよろしい!」


ヒロが支払いをする様子を見た後、外に出たが申し訳無い感が凄い。


「なんか、ごめんね……」
「気にすんな!そんな事より、ゲーセン行こう!ゲーセンとか子供の時ぶりなんだよ!!」
「そうなんだ!」
「俺、意外と上手かったりするんだよな!UFOキャッチャー!!」
「それは、期待!」


足取り軽く歩き始めると、ヒロが横にきて、手を繋ぐ__


ついこの前まで、自分にはこんな綺麗な恋愛なんて無理だと思っていたが、すんなりと受け入れられるようになったのが不思議だ。


心が軽い。


アスファルトの照り返しで手を繋いだら暑いが、幸せだからどうでも良い。


すぐにゲーセンが見えて来て、入ると再び汗が引いてゆく。


音量が鼓膜を刺激する__
キラキラした世界__


「うわぁ!!」
「なんか、懐かしい!!」


UFOキャッチャーに向かって歩き出すと、景品を眺める。


「あ、これ!るるちゃんに似てる!!」


ヒロがそう言って、指刺したのは目付きの悪いクマのぬいぐるみで笑ってしまう。