そう願っても、家の前まで辿り着いたらヒロとはお別れだ。


また、寂しくなってしまうからずっと一緒に居たい。


「また明日!」
「おうよ!ゆっくり寝ろよ!」


私なんかよりヒロの方が何倍もキツいはずなのに、常に気を使ってくれる。


こっそりと家に帰るとベッドに横になった。


次の日は早速、モデルの仕事が入っている。


出版社に有るスタジオに入ると、この仕事では先輩に当たる女の子達に仕事を教わった。


最初の仕事の着替えを渡され、固まってしまう。


それは、皆がお揃いの紺色のブレザーを渡されたから。


キャピキャピした雰囲気の中、それに着替え集合写真を何枚も撮った。


学校で女の子がはしゃいでいるノリ。


その後、似た系統の女の子と数人で集まって写真を取られてゆく。


私はボーイッシュな感じの女の子のグループに振られた。


流石に、読者モデルの時に見たような緊張感を醸し出している女の子は1人も居ない。


皆が自分の売りをわかっている感じで、刺激になる。


ふわふわした甘い雰囲気の女の子は、あざとい表情でカメラを見つめるし、ボーイッシュな女の子は元気そうなポーズを取って悪戯な雰囲気を醸し出す。