「誰かに助けを求めた方が良いよ……」
「やだよ。そんな事をしたら、るるちゃんに会えなくなるかも!それに、あと少しで働けるんだ!」


だよね。


なんかあって会えなくなったら、辛い。


何よりあと少し辛抱したら、私達は自由だ。


あ__


「私ね、雑誌の専属モデルになれたの!お給料は安いけど貯金するから中学卒業したら一緒に住もう!」
「専属モデルすげえな!!」


そう言って、私の頭を撫でる手は華奢だ。


「でも__」
「でも?」
「一緒に住む場所の金は俺がバイトして、貯めさせて!!」


だよね。
ヒロの性格上、私に甘えては来ないだろう。


「たまにくらい、私に甘えなよ!」
「ダメダメ!!俺がるるちゃんを甘えさせるって、決めてるから!!」
「うん……」


優しい瞳のヒロに見つめられると、まるでお姫様になったかのような気分になってしまう。


私がお姫様だなんて笑っちゃうけど、結構心地よいのは守られている感のせいだろう。


「俺、送るよ!」
「すぐに帰らなくて、大丈夫?」
「あーね。大丈夫!!」


ああ__


このままずっと、ヒロを見ていれる環境が続けばいいのに。