ヒロと一緒に学校を出て、歩く。


何となく、ヒロの家が見てみたくて__


「ヒロの家見てみたいな!」
「見せられる物じゃないよ……」
「ヒロの事が知りたくて……。迷惑だったかな……?」


自分で言っといてなんだけど、大胆な事を言ってしまったと思う。


「じゃあ、見せるけけど!着いてきて!」


そこは、学校から歩いて1分くらいの場所に有る長屋。


「ここ!見ても面白くないだろ?」
「ありがとう!」
「るるちゃんの家も見たい!」
「あー。私ね、いとこの家にお世話になってるんだ……」
「あ!俺、嫌な事聞いちゃった!?」
「大丈夫!」


ヒロが安堵の笑みを浮かべる。


「じゃあ、私がお世話になっている家を紹介するね!!」
「うん」


あの家はあんまり見せたくないけど、ヒロも一緒だったはずだ。


そんな事を考えながら、家に向かうと人影が見える。近付いて行くとそれがユリカである事が分かった。


ドクリ。


心臓が波打つ。


どうしようか悩んでいるうちに、ユリカが近付いてきてヒロを見て微笑んだかと思ったら、ゆっくりと桜色の唇を開く。


「ああー!!そーいう事?」
「えっ!」