普通の夢を見て、幸せに笑う。
ただ、それだけ。


「大量に買い込んで、部屋で騒ぎながら食べたいわ!!」


まるで子供のように目を輝かせた。


その姿は普通の人なんかより、ずっと純粋で綺麗で__


この人に出会えた事に心から感謝出来る。


私の夢はモデルとして成功して、皆に認められる事だったけど、今ヒロが話している些細な夢の方が魅力的に感じてしまう。


「全部叶えよう!ヒロの夢!!」
「あと、少しで叶うな!!」
「うん!」


ヒロの小さな夢を全て叶える事が、私の夢のように思えてしまうから不思議だ。


それから、私達は叶えたい夢の話に花を咲かせた。


あと少し__
あと少しでそれらが叶う__


そう考えるだけでワクワクしたし、生きている実感を感じる事が出来た。


しかし、そんな時間はあっという間で、昼休みの終わりを知らせるチャイムの音が鳴り響く。


「もう……。行かなきゃ……」
「るるちゃん!」
「さっき、俺となら変な噂立てられても構わないていったよね?」
「うん!」


本当に心からそう思うから__


「じゃあさ、今日一緒に帰らない?」


顔を赤くして、そんな事を言うからずるい。


「もちろん!!」