「私も構わない……」


心からそう思ったのに、ワイシャツを着始めるヒロ。


ねえ、これは本当だよ。


別にヒロとなら笑い物にされたって、良いと思えたんだ。


「よし！あと、1年未満で俺達自由になる訳だけど、そしたら何する！？」
「んー！一人暮らし！って、思っていたけど、ヒロと妹さんと一緒に住みたい……。迷惑だよね……。ご……め」


謝ろうとした瞬間。


「それ、いーね！かなり理想！」
「ほ、本当に！？」
「うん！その夢を叶えるまで後わずかだし、頑張るよ！！」


いつも道化師の様な笑みを浮かべていたヒロが、本気で笑っている気がして心が暖かい。


私にとってヒロと一緒に住む事は、絶対に守りたい夢になった。


なんだか、ヒロが守りたい物が有ると頑張れると言っていた意味が少しだど、理解できたかのような気分だ。


「わ、たしも頑張る！！」
「したら、俺るるちゃんと料理がしたい！！」


なんて、普通で素敵な事なのだろう。


「しよう……」
「あと、皆で一緒にスーパーに行きたい！！」


ヒロの口から出る夢は、本当に普通の日常。


「スーパー行ったらお菓子買いたいし！！」
「子供か！！」