「全部知ってるの……」
「何を知ってるっていうの?るるちゃん……_。ちょっと疲れてるんじゃないかな?」


話だけでは拉致が開かない。


ポケットから携帯を取り出すと、ユウヤから貰ったスクショの一部をユリカに見せた。


「全部知っているの……」
「……」


ユリカの顔から笑顔が消え、無表情でこちらを見ている。


真実が知れる__


そう思った瞬間、口角がグニャリと持ち上がる。


悪女__


天使だったはずのユリカ。
でも、今のユリカに似合う言葉は悪女。


「あー!やっぱりユウヤと出来ていたんだね!!」
「そんなんじゃな……いよ……」
「ユウヤはかっこいいでしよ……。でもね、あの子はやりたいだけ!!たまたま、るるちゃんには固執してるみたいだけど、それはモデルていう肩書きがあるからじゃなぁい?

たかが読者モデルの癖に!!」


ユリカの歪んだ桜色の唇からは、毒が永遠に溢れ出す。


「そんな事言わないで……。私達、同じ夢見てるんだから、私の辛さも分かるでしょ?」


クスクス笑いながら、私を見下すユリカ。


「あんた、馬鹿じゃなぁい?」
「……」
「本当に私がアイドルになりたいだなんて思ってるのー?」