「じゃあ、さ!」
「ん?」
「俺にるるちゃんの事を守らせて!」


いつものおちゃらけたヒロじゃない__


その真剣な瞳に心臓がトクリトクリと騒ぎ出す。


「守る?」
「ぶっちゃけ、俺ギリギリなんだわ!!」
「へっ?」
「俺、精神状態ギリギリな訳!」


思い浮かぶのは、痣と火傷だらけのヒロの腕。


「ちょっと!大丈夫!?」
「無理だわー!でも、るるちゃんを守らせてくれるならやっていけそ!!」


私が守らなきゃ__


「私が守るよ!」
「あー。それは要らねー!」
「へっ?」


余りにアッサリと振られて、口をアングリ開けたまま固まってしまう。


「俺さぁー!」
「うん……」
「守るべき人が居るから生きていける訳!!だから、俺の守るべき人になってよ……。お願い……」


私が守られるだなんて笑ってしまうけど、誰かの役に立てるなら嬉しい。


何より、ヒロに守られるなんて。


本当はそれを受け入れたいから__


「いいよ。守ってよ……」
「うん。守るよ……」


でも、後にヒロの言葉の意味が分かる__


この時の私は子供過ぎて、何も知らなかったんだ__


ねえ、ヒロ。分かってあげられなくてごめんね。