「例えば今が物語の第6話だったとしましょう。

君や鮫島くん達は、第1話の時点で私がこの話をしても信じてくれましたか?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「“映画やドラマの見過ぎだ”
“椿は頭狂ってる”

引け目を感じなくて大丈夫です。
それが当たり前のリアクションでしょう。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「これは流行り病と一緒です。

“新種のウイルスが外国で出た”と聞いても、
君たちは何もしないでしょう?

“国内で発症者が初めて出た”と聞いても、
君たちは何も対策を取らないでしょう?

その“脅威”と“犠牲”を初めて目の当たりにして身近に迫った時、

人間は初めて信じてくれます。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「出来れば被害は最小限に留めておきたかったのでユウマくんを頼りましたが、

君の敗北も想定内です。」


「・・・・・・。」


「どうしますか?“もう関わりたくない”とお思いでしたら、君を広報部へ異動させます。」


「・・・・・・・・・。」


「鮫島くんや山田くん達の仇を取りたいとお思いでしたら、鍛錬を積ませます。」