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9月末。

営業部フロアに張り出された棒グラフの表の前に集まった皆から、

“おぉ~!”“すげぇ!!”と声が挙がる。


田舎の母ちゃんと父ちゃんのおかげで大学まで行けた。

同期の皆のおかげで万年最下位の苦難も耐えられた。

恵子ママのアシストのおかげで極貧生活を乗り切れた。


そして今・・俺は・・・
小松さんのおかげで・・・!!



「・・上原ぁ・・・一体何をした!?」


祝福の声を挙げてくれる皆の中、

プルプルと震えていた宮本が眼鏡のズレもそのままに、急に俺の胸ぐらを掴んでくる(T^T)



「宮本っちゃん。頼む。
今月だけは負けを認めてくれ。」


「なんだと・・?」


「・・来月すぐまた返すから!
“1ヶ月天下”、俺に夢見させてくれよぉ。」


「・・・おのれ・・・おのれ上原ぁ・・!」




ウッキウキ\(^O^)/で、
経理部へお弁当箱を返しに行く\(^O^)/


誰の祝福よりも、小松さんが“おめでとうございます”と言ってくれるのが嬉しかった。


この勢いで久しぶりに駄菓子屋の領収書を渡したらビリビリに破かれたけど(T^T)


でも・・!帰ったら早速、イタリア料理のお店を検索&検索&検索しまくった!