「『!!!!」』


・・間合いの一歩目は同時だった・・。


刃先を横に倒して、
奴の左胸めがけて突進する。

【三段突き】を繰り広げる為・・


奴の右拳を避けて一段目・・!

・・左拳を避けて二段目・・!!



「!!!!」


三だン・・・!?


『ヒャーッヒャッヒャ!!!』


「しまっ・・・・!」


『サムライ!!痛いじゃないか!?
死ぬかと思いましたよ!?』


「・・・ガァッ・・!!」


『でもこれであなたの【視界】潰しました!

あなた凄いのその動体視力!!
これでもう攻撃も防御もできないね!!』




三段目を突く為の一瞬の隙・・・

マイアーの口から何かが吹き出た瞬間、
視界が真っ暗になり両目に痺れが走った・・


血を・・俺の目に向けて噴き出し・・!?




『サムライ。
あなたの敗因、“サムライ”であった事。

私ただのヴァンパイア・・
“卑怯”も“ヘッタクレ”もあ~りません!』


「うぉぉあああ!!!」


『Oh!Japanisch“ヤケクソ攻撃”!

アハハハ!私ここですよ?
どこにカタナ振ってますか!?』





暗闇の視界の中、あの時と・・池田家で惨敗したあの時と同じ衝撃が腹へ走る・・。


刀が手から滑り落ちる触覚・・
人生2度目のあばら骨折の激痛・・


・・・暗闇の視界の中・・・

仰向けに倒れている自分に・・
奴の高笑いがどんどん近づいてくる・・。




『サムライ・・楽しかったね。
私ホントに死ぬ一歩手前。』


「・・・・・・・・・・・・・。」


『だからあなたの血を頂いてまた消えます。』


「・・クソッタレ・・・・。」


『両手を合わせて・・
Japanisch“いただきます”!』










・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・?


噛まれたのか・・・?

全身に走る激痛のおかげで・・
首の痛みが麻痺したのか・・・?






『・・・あなた・・・あの時の・・?』



いや・・まだ噛まれていないのか・・?




『私、今から食事ね。邪魔するならあなたも“いただきま~す”よ!?』


・・・・?・・・・誰かと・・
喋っているのか・・・・?