『オォ・・サムライ!
また会えるの楽しみにしてま~したよ!』


「小松さん。俺がアイツを引きつけますのですぐに・・!」


「は・・はい・・!」


数年前、彼女と初めて対面した時にも感じたが、

小松さんは[頭で理解する前に行動に移せる]事が出来る・・ある意味で賢い女性だった。


“非現実的な展開が起こっている”とパニックになる前に、

“玉置の指示に従えば良い”と理解してすぐに走り出す。



『アンナ・・・逃げるのそれマナー違反ね!』


「マイアー!!!!」


背中から生える漆黒の羽が彼女へと向かう前に、一気に間合いを詰める。


もう同じ失敗は繰り返さない・・!!

体を鍛え直し、剣術を学び直す。

それだけでなく・・
この“両眼”も鍛える必要があった。


奴の動きを捉え、奴の繰り出す手に反応する反射神経。

まだ鍛錬の途中だとか、
4割も終わってないとか、

そんな事は言い訳にはならない。



『・・・グレイト・・・・。』


「!!!」


池田家で為す術なく肋を折られた時とは違った。

奴が振りかざす右拳を弾いた後、
まずは腹を横一文字に一閃する・・!


『アハハ~!やっぱり弾丸と違って痛いですね!久しぶりですこの感覚!!』


手応え通り、やはり浅かったようだ・・!


腹の出血部分を手で押さえて自らの血を口へとすする姿を捉えながら、

間髪入れずに二手目を・・・!


『良いですねサムライ!!

ドイツ人サムライいないね。
やっぱり私日本、大好きね!』