姉のカレシの、闇に溺れて






「…………だけど、帰らなきゃ……」



 『立つのはムリ』と告げたのに、それでも立とうとする紗和を黙って見つめる。



「送るから。乗って」


 紗和の鞄を持ち、背を向けしゃがみ込む。それでも頑なに俺の背に乗ろうとしない紗和に、『あんまり遅いと家族の方が心配するんじゃない?』と、容赦なく追い打ちをかける。



「それとも、ずっとここにいてイイけど??」


「………………ふざけないで!!」



 ………ふざけてねぇよ。



「私…………初めては好きな人って決めてたのに。最低!! クズ野郎!!」


「そのクズに気持ちよくさせられたんだろ?? 本当、俺達エグイくらい相性イイね」