姉のカレシの、闇に溺れて





 他のオンナにはしないようなことまで、紗和にはしてあげたくなる。俺が紗和に溺れるように、…………せめて、この時間だけでイイ。紗和も俺に溺れてほしかった。

 
 
 途中で止めるコトができなかった。



 ―――――ずっと不感症なんだと、誰かを抱いたって虚しいだけだと思っていた。



 だけど、紗和なら…………



 込み上げてくる涙で視界がボヤける。
 紗和に気づかれる前に急いで腕で涙を拭う。



「……………私、帰らなきゃ………」



 一通り終えた後、ハッと我に返ったようにいそいそと服を整える紗和。


 一瞬立ち上がったが、腰が抜けたようで立てないでいた。



「何回も気持ちよくなってたろ。当分立つのはムリだよ」