姉のカレシの、闇に溺れて





 は………?
 ま、まさか、食べるって私を!?



 逃げないとと、腕に力を入れてみるけど全然ビクともしない。


 …………やっぱり、さっさと帰るべきだった。


 今更後悔しても一緒だということは分かっているけど、改めて自分の決断の甘さを悔やむ。



 ソファに押し倒され、また蹴ることがないよう、ガッチリと悠一さんの足は私の足を押さえる。


 身動きが取れないように固定された。




「何で…………」


「言ったろ、紗和としかシないって」



 鋭く睨まれ、あの夜みたいに私の口に悠一さんはゆっくりと、口を近づけた。



 ―抵抗できない。
 姉と南瀬くんへの罪悪感が涙と一緒に溢れる。



 罪悪感でいっぱいのハズなのに、それでも悠一さんのキスは私の脳をドロドロに溶かした。