多分、悠一さんはこれが言いたかったんだ。
全然外でできない話じゃないじゃん。
ケーキを食べ終え、ふと悠一さんに目を向けると、悠一さんは私の口元をジッと見ていた。
……………何をそんなに見て………
……………まさか、ケーキ？
「…………もしかして、私、悠一さんのケーキ食べちゃいましたか？」
思えば、私が悠一さんの家に来ることが決まったのだって急だった。悠一さんの分を食べてしまっていても不思議じゃない。
「――――ん、俺は今から食べるから」
ニコッと向けられた笑顔に少しホッとする。
良かった。ちゃんと自分の分あったんだ。
"それじゃ、帰ります"と再度立ち上がった。
―――――その時だった。
『待って』と腕を掴まれ、思いっきり抱き寄せられた。
「なにす…………」
「言ったろ、"今から食べる"って」
