「……………え」


 私が初めて?
 いや、そんなはずはない。
 だって悠一さんは女を取っ替え引っ替えしていた挙げ句に、お姉ちゃんと付き合っている。


 それに一人暮らしなら家に上げ放題だし、普通入れるに決まってる。



「自分の家に女がいるのって、なんかイヤでさ。お前らごときが俺の部屋に入れるって思うなって思うじゃん」



 …………"思うじゃん"と言われても。
 悠一さんの思考が理解できない私は、何も発することができない。



 ただ、お姉ちゃんも"お前らごとき"の中に入っているということは理解できた。



 何でこの人はお姉ちゃんと付き合ってるの……………全然理解できない。だけど、悠一さんはお姉ちゃんと別れる気はない。


 矛盾している。


 それより、さっさと本題に入って切り上げよう。



「…………で、外ではできないお姉ちゃんの話って何ですか」



 悠一さんに冷たい目を向け質問するも、準備ができたらしいケーキとホットミルクをテーブルまで運んだ。