姉のカレシの、闇に溺れて




「そんな……じゃあ、もし、お姉ちゃんと結婚した時どうするんですか………もし、子供がほしい時とか……」


「そんなの、体外受精すればイイだけだろ」


「………………なっ。そんな……お姉ちゃんの気持ちも考え「じゃあ、紗和も俺の気持ち考えろよ!!」



 いきなり怒鳴られ、体がビクッと反応する。それに”紗和”って呼び捨てにされたショックで言葉が出てこない。



「…………シたくないんだよ。紗和ちゃん以外とシたくない」



 ………そんなこと言われたって。



「私は悠一さんといかがわしい事をする気ありません!!」



 ………この人、狂ってる。関わっちゃダメだ。


 逃げようと走り出そうとした時、悠一さんに腕をガッツリ掴まれてしまった。





「――――――逃さない」


 聞いた事ないくらい低い声で、苦しそうな声で私の耳元で囁いた。



「一緒に来て」