「…………お姉ちゃんと付き合うことは勝手ですけど、私は悠一さんと仲良くする気はありません。今後私に関わらないでください」
悠一さんの目を見てハッキリ言った。
今ならまだ間に合うから。今なら昨日の夜のことをなかったことにできるから。もうこれ以上関わらないでほしかった。
「……それと、家に遊びに来ても昨日の夜みたいなことはしないでください………」
また、そんな事聞いてないと弱味でもつけられたら困る為、はっきりと伝えた。
頷く悠一さんを見て、分かってもらえたと思った。――なのに、
「ん、そうだね。でも気にしなくて大丈夫だよ。俺は沙羅ちゃんを抱くことはないから」
”沙羅ちゃんを抱くことはない”と、何故か姉のことを伝えられる。
……なんで私にソレを伝えるの？
直接言われたら気になってしょうがない。
「な、なんで？」
「紗和ちゃん、そういうことしてほしくないんでしょ？？」
「違う………家ではしてほしくないだけで………」
「…………でも、俺、無理だよ。紗和ちゃんに抱きついた心地よさとか、全部消えないから。消したくないから、もう沙羅ちゃんは抱かない。抱きたくない」
