部屋を一生懸命片付けている姉の元へ向かい、『お姉ちゃん、ユウくんから連絡あったよ! 駅に着いたって。迎えに来てほしいって』と、早く駅に行くように急かす。
「え!! ウソ、まだ部屋が……も、もう少しだけ!」
もう少しだけって……
家から駅までは歩いて20分はかかる。
……外は寒いし急がないとユウくんが風邪を引いてしまう。
せめて何か温まる物を。
台所の戸棚に閉まっておいたカイロを2つ取り出し、『じゃー、行ってくるね!』と玄関で靴に履き替えている姉に手渡す。
「気、効くじゃん!ありがと!」
「うん、行ってらっしゃい」
にしても、お姉ちゃんあんなに急いで部屋片付けて………本当に急に来ること決まったんだな……
今日、お母さん達旅行に出かけてて良かった。だからユウくん来たいって言ったのかな……
姉のカレシにドキドキと胸を高鳴らせ、ひたすら二人が家に帰ってくるのを待った。



