南瀬の善意を無下にした罰だと、校門で私を待ち伏せる悠一さんを見てそう、思った。
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まさか、今の今までここで待っていたんだろうか。
校門の隅で下を向いて座り込んでいるその人は明らかに悠一さんだ。
見てしまったからには声を掛けないなんて出来るはずもなく、話しかけてしまった。
「………………………悠一さん??」
声を掛けると、悠一さんは子犬のような目をして私を見た。
…………ついつい、カワイイなんて思ってしまう。
「紗和ちゃん。待ってたよ。一緒に帰ろ」
「…………………待ってたって、お弁当届けてくれた時から……ずっとですか?」
「うん。昨日のこと、俺、沙羅ちゃんと勘違いしてて。今朝ソレが分かってさ。紗和ちゃんにどうしても謝りたくて………」
『今朝ソレが分かって』
……イヤな予感がする。どうして分かったのだろう。
やっぱりお姉ちゃんに聞いたのだろうか。
申し訳無さそうに顔を歪ませる悠一さん。
それでも『謝りたい』と、待ってたって事は昨日のアレは、本当に間違えただけなんだ。それならお姉ちゃんにも謝ってくれてるはず。
――お姉ちゃんにバレるワケにはいかない、と思っていたけど、悠一さんが一回謝罪しているのなら許してくれそうな気がした。
―――けれど、昨日の夜の事は思い出したくもない。
わざわざ蒸し返すようなことはしたくない。



