姉のカレシの、闇に溺れて



 恥じらいがある質問にも関わらず、南瀬くんは真剣な顔で答えを出そうとしてくれている。



「んー、それは月野の姉ちゃんとカレシの問題だから。月野が気にすることないよ」


「…………そう、なのかな??」


「うん。だって、そんなこと相談されてもどうしようもできないじゃん」


「…………うん、そうだね」


「―――それに、俺まだそういう事したことないからアドバイスできない。ゴメン」



 ハハッと、テレくさそうに笑う姿に癒やされる。


 南瀬くんはきっと、大切に女性を抱くんだろうな。


 悠一さんみたいな、あんな抱き方はしないんだろうな。


 ……………あんな、
 肌と肌が吸い付くような心地よさは、私が男の人を知らないからだ。


 悠一さんで得た気持ちよさは、相手が南瀬くんでも絶対同じになる。


 そうだって証明したい。
 そっと南瀬くんの手に触れてみる。


 すると一瞬、ビックリした南瀬くんが顔を真っ赤にして私の手を握り返してきた。



「……………月野は………月野は、ある??」


「………………え?」


「誰かに抱かれたこと、ある??」