なんとか1時間やり過ごし、お昼の時間になり、私は南瀬くんの席へと急いで駆け寄る。
「南瀬くん、……お弁当………ありがとう」
南瀬くんは困った顔で微笑んでは、私に『ハイ』と、差し出した。
ゆっくりお弁当を受け取る。
「俺がさっき聞いたヤツに覚えある??」
「うん。お姉ちゃんのカレシ。昨日、泊まりに来てたこと忘れてた」
アハハと控えめに笑って誤魔化してみるも、南瀬くんの表情は変わらない。さっきからずっとこの表情だ。
絶対何かあった。
どうやって何かあった事を聞き出そうか悩んでいると、
「……………姉のカレシと仲いいの??」
南瀬くんは不思議そうに聞いてきた。
「………え、ううん。特には。家に遊びに来たのも昨日が最初だし。それより、あの……悠一さん私のこと何か言ってた?」
「『紗和ちゃんと話したいことがある』とか言ってたけど、ごめん、最後まで信じきれなくて不審者扱いしちゃって追い返しちゃった」



