拒んだと言っても、結局のところ私は悠一さんとキスしてしまったんだ。
絶対許してくれるワケない。
私がお姉ちゃんの立場だったら許せない。
南瀬くんの帰りをジッと待っていると、授業が始まるチャイムが鳴ってしまった為、一旦教室に入る。
少し遅れて入ってきた南瀬くんは、先生にバレないように教室に入り、ゆっくりと一番後ろの自分の席へ着いた。
私も一番後ろの席だけど、南瀬くんとは2席越しで距離がある。チラチラと目線を送っていると南瀬くんも気づいたらしい、何故か私のお弁当を見せてきた。
……………え!?
あっ!!! 私の弁当!!
急いで自分の鞄を開けて確認してみるも、お弁当が入ってない。
―――――ということは、悠一さんは私のお弁当を届けてくれただけだったんだ…………
ホッと肩の力が抜け、南瀬くんに『ソレ、私の!』と大きく頷いた。
……………南瀬くんにも伝言ゲームみたいな事させて申し訳ないし、後から卵焼き1個で謝罪しよう。
それに、悠一さんの様子とか何か聞けるかもしれないし。



