◆紗和side◆
3時間目が終わり友梨ちゃんとお喋りをしていると、遅れて登校してきた南瀬くんが『月野、ちょっと良い??』と、私を呼んだ。
頷き、南瀬くんと一緒に廊下へと出る。
「南瀬くん、おはよう」
とりあえず挨拶をし、南瀬くんの話を聞く。
「あのさ、大学生くらいの男の人が今月野を呼んでほしいって来てるんだけど。知り合い??」
大学生………男………??
――――まさか、悠一さん!?
朝、顔を合わせないように出てきたのに、何で…………
―――まさか、お姉ちゃんに昨日の夜のことを聞いて、間違いだって分かって私に謝りに来たんだろうか。
―――だとしても会えない。会いたくない。
南瀬くんに『知らない』と伝えると、南瀬くんは頷き何処かへ行ってしまった。
手が震える。
…………会いたくない。だけど、悠一さんがお姉ちゃんに昨日の夜のことを言ったのか言ってないのか、気になってしょうがない。
………もしお姉ちゃんが知ってしまってたら、許してくれるだろうか。



