終いには、『あの、何してるんですか??』と、5〜6人の女の子達から囲まれてしまう始末。
「お兄さん名前何ていうの?」
「カノジョいるんですか?」
「めちゃくめちゃイケメンですね!」
質問攻めに合っていると、『あのー』さっきの男子学生が遠慮がちに俺に声を掛けた。
女の子達に『ごめんね、ほら授業間に合わなくなるよ!』と返し、男子学生の元へ近寄る。
「…………ごめんね。で、紗和ちゃんは??」
「俺がアンタの特徴教えたらそんな人知らないって言われたんですけど。その弁当も受け取れないんで帰ってもらって良いですか??」
……………紗和。
男子学生の制服の名札を見ると、南瀬と書かれてある。
………南瀬くんか。
俺を完全に不審者と思っている南瀬くんは、『アンタの事、後から先生に報告しときますんで』と、俺に念を押す。



