「え!? 私が紗和に『お弁当忘れてる!』って連絡するから。ユウくんがそんなことしなくても大丈夫だよ!!」
……………紗和なら。
俺が寒くないように、と、カイロまで用意してくれた紗和だったら、私がお弁当届けると言うだろうな。
ふとした、紗和と沙羅の思いやりにチクリと胸が痛んだ。
「沙羅ちゃん、授業1限からでしょ?? 俺、今日いかなくても平気だし、バイトもないし。午後まで時間空いてるし、ヒマだから」
ニコッと微笑みかける。
沙羅は泣きそうな表情で、『ユウくん優しすぎ!』と俺に抱きついてきた。
沙羅から紗和のクラスを聞き出し、1日の授業も聞き出した。1限と2限目は移動教室だから、3限目辺りで渡せるようにした方が良いか。



