「沙羅ちゃんと別れる事ができなくて、それでも紗和との関係を終わらせたくなくて。いっぱいヒドイ事言ったしヒドイ事した。……ごめん」




 ぎゅううっとキツく抱きしめてくる悠一さんに、頷く。



「私も………悠一さんはヒドイ人だと決めつけてた……いっぱいヒドイこと言ったりした」



「いや、俺、ヒドイヤツだから。紗和と結ばれるなんて絶対あり得ないと思ってたから……なんか……上手い事言えなくてゴメン」



 『南瀬くんみたいに口回らないや』と、テレくさそうに笑う悠一さんを離したくない。



 誰に何と言われようと、絶対に離さない。




「本当は、紗和を壊してやりたいくらいめちゃくちゃにしてやりたかった……沙羅ちゃんを抱いた後でも抱こうと思えば抱けたんだ。でもね、紗和の体に溺れたら本気で沙羅ちゃんは無理になると思ったんだ……」



 悠一さんは私の肩に顔を伏せ、ゆっくり過去の心情を喋り始めた。