姉のカレシの、闇に溺れて



 曇った表情をする悠一さんとお姉ちゃんはそっちのけで、『月野ー、外冷えたな! 上がって温かいお茶飲も!!』まるで自分の家のように靴を脱ぎ捨て、家の中に上がる南瀬くん。


 お姉ちゃんは慌てて、

「……………えと、ちょっ…今、キッチン散らかってて………リビングも…物が散乱してて散らかってるの……」


 南瀬くんを家に上げない理由付けをした。


「知ってます、ギャーギャー喚く声が外まで聞こえてました。そんで、俺、月野にフられました。ユウイチさんが月野を好きだとか吐かすから、俺は秒でフられました」



 『この先の未来、罪を背負って生きていきたい……』この言葉は南瀬くんの告白を自然と否定する言葉だった。