姉のカレシの、闇に溺れて




「…………で、さっき言った”話したい事”なんだけどさ」


「ユウくん、デザートもあるんだけどさ……」



 俺が今から話す内容が分かっているのかいないのか、ことごとくはぐらかされる。


「俺の分のデザートあるなら、それは紗和に回してあげて。弁当も、俺に買ってきてくれてたヤツは紗和にあげて」


「だから紗和とはあんまり話してないって…………」


「前、紗和から聞いたけど晩ご飯はお母さんと交代で作ってるんだろ?? 沙羅ちゃんの分がないとかじゃないんだよね?」


「…………あるけど、でも……」



 ”でも”じゃないだろ。
 何かしらの欲求が答えてくれなきゃ困ると思って付き合ってやってたけど……



 ――沙羅の良い部分が全然見えてこない。