必死に記憶を誤魔化した。
――――しばらくして、俺は月野沙羅と付き合う事になった。ただ、表では『付き合ってることは内緒にしよう』と条件を付け足し、『自由でいたいから、沙羅ちゃんも俺以外に好きな人を見つけてね』とも言っていた。
――――言いふらすほど、月野沙羅に惹かれていない。
月野沙羅は自分の容姿を気にしてか『可愛くなるように頑張る』と了承してくれた。
それでも、とりあえず沙羅ともヤることはヤッた。
――――――やっぱり、このオンナも全然満たされない。だけど、このオンナには唯一暴言は吐かなかった。
俺はこの先の未来一緒にいるなら、月野沙羅って思った。
分かってはいたけど、胸の奥はずっと苛立っていた。
そんなこんなである日、
「今、私の両親旅行で出掛けてていないんだ!」
という月野沙羅のLINEで、俺は急遽家に泊まりに行く事にした。
俺は一人暮らしだ。だから沙羅を家に呼べないワケじゃない。――だけど今まで家に上げた女はいない。
月野沙羅が特別ってワケじゃない俺は、やっぱり今回も家に呼ぶ気にもなれなくて。
『家に来てイイよ!』と言ってくれる沙羅の言葉に甘えることにした。
抱いても満足はできないけれど、まあ少なくても、飽きるくらいには抱いてやろうかななんて考えていた。



