姉のカレシの、闇に溺れて




「うん……」


 悠一さんの中では、私との関係はもう終わってるかもしれない。


 だけど…私の中ではまだ終わってないから、


 ……家庭教師、親身になって教えてくれたのに、お姉ちゃんをやっと大切にしようと思えてるかもしれないのに。



 もう心を入れ替えてるかもしれないのに。



 恩を仇で返すような事してごめんなさい………



「………月野には、姉のカレシに何をされたのかお姉さんに説明してもらわなきゃだから。言いにくいかもしれないけど、先に俺に話してくれる??」


 『先に聞いとけば月野が話せなくなった時に、代わりに俺が話できるから』と、言葉をかけてくれる南瀬くんに、『うん』と返事を返す。



「ウチの両親がいない時に遊びに来た時が始まりだったの……最初は本当に良い人で、話してて楽しくて、お義兄さんになってほしいって浮かれてた」