……寒い。

 お姉ちゃんと悠一さんがいる家に、どうしても帰りたくなくて、ボーッと夜空を見上げる。

 無数の星がキラキラしていた。
 星空を見ていると、また泣けてきて、


「……………グズっ」

 声を殺し涙を流した。
 その星をまた懲りずにボーッと眺めていると、


「え!? 月野!?」


自転車で通り過ぎ去ろうとしていた南瀬くんが、私の前に現れた。


「…………南瀬くん」


「え!? ちょ………何して…な、何があった!?」


 薄着で、地べたに這いつくばり泣いている私に、南瀬くんは動揺を隠しきれていない。