何でお姉ちゃんに決められなきゃいけないの。
 南瀬くんとはそういうんじゃないって言ってるじゃん!!


 今は南瀬くんと学校へ行く事もなくなったし、気まずくて学校でも挨拶程度するだけで昔みたいに喋ってない。


 もう、戻れない。
 もう私はあの時には戻れないんだよ……


 姉を強く睨みつけるだけで現実は何も変わらず、

「じゃ、今回はここまでね。紗和の成績も良いみたいで嬉しいよ」

 パタン、と教科書を閉じ、頭を撫でる悠一さんに何も言えないでいた。


 私の事をどう思ってるのか、お姉ちゃんの事をどう思ってるのか、本当の意味で聞きたいのに。


 幸い、姉はコンビニに買い出しに行っている。問いただすにはもう、今日しかない。