…………なっ。
 別に好きなんかじゃ……


「勉強見てもらってるうちに、好きになったんでしょ?? でも、ユウくんは私のカレシだから。手、出したら許さないからね」



 『まあ、ユウくんは私にベタ惚れだから、紗和に勝ち目はないだろうけど』と、余裕そうにソファーに寝転がる姉を、また強く睨む。



 ………所詮、悠一さんの言いなりのクセに。



 ―――今まで姉が大切だったのに、今は憎い。


 憎くて憎くてたまらない。


 強く睨みつけては、酷い言葉を吐いてしまうほど憎い。


「紗和もカレシ作りなよ。一時期迎えに来てた男の子はどうしたの?」


「…………別に、どうもしてない」


「カッコよかったじゃん! 早く付き合いなよ?」