姉のカレシの、闇に溺れて




 着替えてリビングへ行くと、


「はい、コレ。風邪薬。錠剤だけど飲める?」


 と、私に風邪薬をだしてくれた。



「ありがとうございます……」


「ん、それと体温計って」


 言われた通り体温を計る。
 今はそんなに熱はないようで、微熱程度だった。


 今なら帰っても平気だけど、どうせ返してくれないだろうな……


 寝室に行くように言われ、悠一さんが使っていると思われるキングサイズのベッドへ腰掛ける。


 …………大きい。良いなぁ。
 ベッドもふかふかで、やっぱり良い匂いがする。


 悠一さんの声も好きだけど、それと同じくらいに、匂いも大好きだ。


 悠一さんは毎日この家に一人なんだ。


 寂しくはないんだろうか。