姉のカレシの、闇に溺れて




 ヤバイ。また返事間違えた。
 これじゃお姉ちゃんの株が下がるだけだと思い、急いで誤魔化す。


「お姉ちゃんも時間がある時は作ってくれるんです!」


 姉は料理なんてしないけど、印象がマイナスにならないように嘘を吐く。


「作らないだろ、あのオンナは。良いから。今日は俺の家でゆっくり寝て。夜ご飯も俺が作るものだけど、食べれたら食べて」



「………………でも」


「大丈夫。絶対何もしない」


「…………はい。でも悠一さん今日って大学は?」


「気にしなくて良いよ。バイトも他のヤツに代わってもらったし。心配しなくて良いよ」


 今日は襲われるかもとか、別にそこまで悠一さんを警戒しているワケではないけれど、悠一さんまで巻き込んでしまっている事が本当に申し訳ない。